カテゴリから選ぶ

完全ワイヤレスイヤホンのスタンダードとしての地位を確固たるものにした「WF-1000XM4」の後継機種、「WF-1000XM5」が登場しました。業界最高クラスのノイキャン性能*1、高音質、操作性とその実力は折り紙付きですが、今回はどのような進化を遂げたのか? その実力を検証していきましょう。

INDEX

「WF-1000XM4」からの進化は見た目からも明らかでした。ケースを開けてみると、まずは本体サイズがさらに小さくなったことに気が付きます。体積は25%ダウンするとともに計算された曲線形状により耳の内側への干渉を軽減することができ、高い装着性を得たのです。また耳からの飛び出しも少なくなり、メガネやマスクの取り外し時にひっかけて誤って落としてしまう心配も少なくなりそうです。外観デザインはマイク部も凹凸のないデザインにすることで風ノイズの低減にも寄与しています。金属に微細孔を施した金属のマイク部や光沢とマット素材の2トーンにより全体的により高級感が増した印象ですね。実際の装着感もとても自然です。圧迫感はなく、これなら長時間付けていても疲れることはなさそうです。

小型化したからと言って、音質には妥協はありません。「WF-1000XM4」でも高い評価を得ていましたが、本機種では、独自開発された8.4mmの新ドライバーユニットを搭載。低音域から高音域まで高い音質を実現しています。特に低音域のレスポンスが向上しているとのことで、実際に何曲か聴いてみました。例えば、ザ・ウィークエンド「Like A God」を聴くと、確かにキックの押し出し感、ベースのグルーブ感が楽曲全体の中で気持ち良く伝わって来ます。ただ低域が大きいのではなく、バランス良く聴こえるのです。また米津玄師「月を見ていた」のようにアコースティックな楽器が使われている楽曲では、明瞭な音に包み込まれ、とても気持ち良い音空間を楽しめます。ぜひ一度体感してもらいたいですね。もちろん、本機種はハイレゾコンテンツ、LDAC*2にも対応しているので、より高音質な音楽を楽しむことができます。

ノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンは、昨今の機種を見渡すと、多くのメーカーから発売されており、スタンダードな機能と言えるでしょう。今回の「WF-1000XM5」に搭載された性能は、前機種の「WF-1000XM4」に比べてさらに20%程度のノイズ低減を実現しました。特に、飛行機や電車など、乗り物に乗った時の走行音に対しての低減力が向上したとのこと。実際に電車などの移動中に音楽を楽しむ人が多いと思いますが、騒音に邪魔されず音楽に没頭できるのは嬉しいですね。

ノイズキャンセリング機能は、「Headphones Connect」アプリ搭載の「アダプティブサウンドコントロール」により、自分の行動や周囲の状況によってノイキャンや外音取り込みを自動的に切り替えてくれるように設定することもできます。ノイズは抑えつつ、人の声を取り込むことも可能なのです。さらに、通話に関してもソニー完全ワイヤレス史上最高通話品質をうたうほどクリアな声を実現しました。高精度のボイスピックアップテクノロジーと骨伝導センサーにより、騒音下でも周囲のノイズを除去しながら通話できるので、急な電話でも、静かな場所を探す・・・なんてこともしなくて大丈夫ですね。

音質からノイズキャンセリングまで、進化の歩みを止めない「WF-1000XM5」ですが、普段使いする上で、さまざまな機能がアップデートされています。まずは、シリーズで受け継がれているタップ操作。これまで3回までのタップで、曲の再生や外音コントロール、通話などの設定が割当てられていましたが、「WF-1000XM5」は4回以上の連続タップでの音量調節が可能に。さらにマルチポイント接続に対応しました(前モデルWF-1000XM4もアップデートにて対応)。例えば、移動中は自身のスマホで音楽を聴き、会社に着いたらパソコンでオンライン会議に接続する際、Bluetoothの接続の切り替え作業が不要で、OSを選ばず2台の機器の接続をシームレスに自動で切り替えることが可能です。細かい点ですが、意外と助かりますね。そしてバッテリー性能も進化。もともと長時間の性能を持っていましたが、連続通話時間やクイックチャージの充電時間も短縮されました。

専用アプリ「Headphones Connect」を使って、自分仕様にカスタマイズできることももちろん受け継がれている「WF-1000XM5」。世界最高のノイキャン*1を実装し、高い音質と装着性を手に入れた本機は、死角なしと言える進化を遂げていました。

*1 左右独立型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン市場において。2023年4月10日時点、ソニー調べ、電子情報技術産業協会(JEITA)基準に則る
*2 ハイレゾコンテンツをLDACコーデックで最大転送速度990kbpsで伝送する場合。「Headphones Connect」アプリから操作が必要です