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特別企画Special interview アコースティックギタリスト押尾コータロー「BOSEとの新たな出会い」

第2弾 “BOSEの理念に共感” ノイズキャンセリングヘッドホンは手放せない
-今回はすこしボーズについても紹介していきたいと思います。
まず押尾さんはボーズの名前の由来はご存知でしたか?
押尾:いいえ、あまり考えたことがなかったです。
-実はボーズは創業者の名前で、1964年にアメリカのマサチューセッツ州で起業された会社です。創業者の名前はAmar G Bose。通称ボーズ博士。アメリカフィラデルフィア産まれでマサチューセッツ工科大学の優秀な卒業生であり、またその学校の教授でもありました。
押尾:創設者のお名前が、ボーズ博士だったんですね。
-そんなボーズ博士が会社を創業したきっかけで面白い逸話を紹介します、
博士が学生時代、論文執筆の息抜きのために音楽を聴こうとして、雑誌やカタログでスペックを徹底して調べ、自身がこれなら満足できると思うオーディオ機器を買い揃えたそうです。
しかし、そこから出る音は自身もバイオリンをたしなむボーズ博士が期待した音とはまるで違うもので、とてもがっかりしたそうです。だったら自分で原音やコンサートホールの音を再現できるスピーカーを作ろうと始めたのがこのボーズという会社です。そんなことからボーズが作る製品には「音をスペックで語らない」というポリシーが生まれました。
押尾:自分の体験や疑問が、音の世界にのめり込むきっかけに。言われてみるとボーズには他社のような細かいスペックが書いてないですね。
-そうです、ボーズは数字ではなく、体験を重視しています。お客様が自分の耳で聴いたときにどう感じるかを大切にしています。
押尾:そのボーズ博士の考え方にはミュージシャンとして、非常に共感することができます。しかも、50年以上も前に作ったポリシーを今も貫いているのは本当にすごい。
確かにスペックを気にする方も大勢いらっしゃいますし、その気持ちもよく解ります。ギターの材質でも「スプルースが良い」「いや絶対ハカランダだ」なんて語られたりするけど、本質はそこじゃなくて、大事なのは、「自分がどう感じるか」。ギターも選ぶのにスペックは必要だけど、「最も大切な事」は、弾いてみて自分がイメージした音なのかどうかだと思います。
-スペックやレビューを参考にする方ももちろん多いと思いますが、押尾さんからオーディオ製品を選択するときのアドバイスなどありますか?
押尾:僕がアドバイスですか・・・そうですね、まずは「色々聴き比べて楽しむ」のがいいと思います。でもそうできない時などはレビューを参考にするのもいいですが、できれば実感して選択することをお薦めします。僕は店頭で実際に音を聴いたり、製品を試してみて吟味するのが好き。そして人にも「ボーズって本当に良い音だから聴いてみて」「こんなに小さいのに迫力ある」「ボリューム下げても音がいい」ってたたみかけたり(笑)。実際に聴けば絶対に「この音は違う」って感じてくれるんじゃないかなと。結局、音楽も映画もスペックで楽しむものじゃない。だからボーズ博士の言葉通り、実際に聴いてみて、自分がどう感じたかで決めれば良いと思います。
-お薦めアドバイスついでなのですが、今イヤホンブームでボーズも完全ワイヤレスのノイズキャンセリングを発売しましたが、試されましたか?
押尾:もちろん使ってますよ。そもそもボーズのノイズキャンセリングを初めて試したときは衝撃的でした。周囲のノイズが本当に聞こえなくなって「なにこれ、すごすぎる!」って。僕の最初に買ったノイズキャンセリングヘッドホンはオーバーヘッド型でしたが、今はイヤホンタイプの「QuietComfort Earbuds」も愛用しています。ノーマルのイヤホンもかなり気に入っていたんですが、ボーズのノイズキャンセリングのすごさを知っていたから、去年「QuietComfort Earbuds」が発売されたときはすぐに飛びつきました。
QuietComfort Earbudsを試聴体験
-実際使用してみていかがですか?
押尾:もう移動するときのマストアイテムになりましたね。特に飛行機の時は手放せない。ノイズキャンセリングにすると騒音がスッと消えて、これだけでも静かで心地いいんですが、そこに音楽が加わると本当に良い感じです。ノイズは完全にシャットアウトしつつ、音楽の良さは一切損なわれない。もうノイズキャンセリングは手放せないですね。あとQuietComfort Earbudsのつけ心地も気に入ってますよ。以前から愛用しているボーズのイヤホンもそうだけど、耳の内側に沿う独特のイヤーチップは本当に疲れにくい。しかも落ちないです。それと耳から外すと自動で音楽が止まる点も何気に便利ですね。
-そうですね、ボーズは長く聴いていても疲れにくく、快適に楽しんでもらえるよう、心理音響学の側面からも快適な音を研究・開発しています。
押尾:確かに。ボーズの音ってずっと聴いていられますね。ワイヤレスの音はスマホとBluetooth接続だからかなり圧縮されて、元のデータからは劣化しているはずだけど、それを一切感じない。気持ちよく聴いてもらえることをしっかり考えているんだと納得できます。
-このノイズキャンセリングの技術は実は快適な音を追求するという姿勢から生まれたものなんです。ボーズ博士が出張時の飛行機で音楽を聴こうとしたら、騒音がひどくて楽しめない。博士は音楽を諦めてその飛行機の中で音を音で打ち消す方法を着陸する前までに考えてしまったんです。1978年に研究を始め、1986年にパイロット用のノイズキャンセリングヘッドセットを開発しました。
民生機とは違うパイロット専用ノイズキャンセリングヘッドセットがあるのでぜひ試してみてください。
押尾:…すごすぎる。騒音はピタッとなくなるのに人の声はしっかり聞こえる…。
-このヘッドセットのマイクにもノイズキャンセリング機能を付けているから、自分の声を相手に明瞭に聞かせることができるんです。
押尾:命を預かる仕事上そこは大きなポイントですよね。このマイクの技術は現在のイヤホンなどにも引き継がれているんですか?
航空機用ヘッドセットを初めて試聴体験中
-その通りです。例えば『QuietComfort Earbuds』のマイクは、騒音に加え雨や風の音も消して通話しやすくなっています。またノイズキャンセリングで最も重要なノイズ解析と音質調整には音場補正技術が活用されています。プロの現場やスピーカーで培った技術を様々な製品にフィードバックできるのもボーズの大きな強みです。
押尾:今日こうしてお話を聞いてみて、やっぱりボーズ博士の考え方がすばらしいと思いました。人と違うことを始めたり続けるのは勇気がいるし、ある意味リスキー。でも良いものを作るには不可欠なことなんですよね。ともすると時代に流されて、当たり障りのない曲を作ってしまいそうになる自分もいたりする。でも、良いもの・本物を作ることはすごく刺激になるし、そのためには“常に挑み続けるんだ”ということをボーズ博士から再認識させられた気がします。ボーズ博士もたくさんの失敗を乗り越えたからこそ、世になかった技術を生み出せたんでしょうね。
今回は押尾さんがDr.Boseの考え方に共感された内容でしたがいかがでしたでしょうか。
さて次回最終回、押尾さんのライブの時のお話などもお聞きしましょう。お楽しみに。